続いて興味のあった、FISCHER RANGER 102についてもディープリサーチしてユーザーの声を調べてみた。
FISCHER RANGER 102スキー:総合評価レポート
FISCHER RANGER 102は、パウダーからオンピステまで幅広い用途に対応するオールマウンテン・フリーライドスキーです。2022-23シーズンのフルモデルチェンジ以降、その性能と使いやすさから国内外のスキーヤーから高い評価を受けています。このレポートでは、その特徴、性能評価、そして世界中のユーザーからのフィードバックを詳細に分析します。
製品概要と技術仕様
FISCHER RANGERシリーズは、センター幅84mm、90mm、96mm、102mm、108mm、116mmと6種類のラインナップで構成され、幅が広いほどパウダー志向、狭いほどオンピステ志向という明確なコンセプトで設計されています16。RANGER 102はその中で中間に位置するモデルで、パウダーからオンピステまで幅広い用途に対応することを目指しています。
176cmモデルの場合、サイドカットは137/102/127mm、ターン半径18m、重量は片方あたり1950gとなっています2。特徴的な技術として「シェイプドTi&フレックスカット」があり、チタニウム素材の長さと切れ込みを中間的に設定することで、しなやかさと適度な硬さのバランスを実現しています6。
コア材にはビーチポプラウッドを使用し、「Freeski ROCKER」と呼ばれるロッカー形状を採用することで、特にパウダーや不整地での操作性を高めています2。2022-23シーズンのモデルチェンジでは、以前の「Ranger 102 FR」から大幅な設計変更が行われ、特に「Shaped Ti」構造の採用により、各モデルに合わせてカスタムカットされたチタナルプレートを使用するようになりました5。
様々な雪質での性能評価
パウダーでの性能
RANGER 102は、その名の通りパウダーでの使用を想定したモデルで、特にこの環境で高い性能を発揮します。トップからテールまでのしなやかなフレックスと、テールのツインチップ形状により、パウダー内での操作性が高く評価されています6。海外のレビューでは「高い操作性と安定性の両立」が強調され、特にツリーランやサイドカントリーでの性能が称賛されています2。
整地バーンでの性能
圧雪バーンでの性能に関しては、評価が分かれています。日本のユーザーからは「あんまりグリップしませんね…トップとテールが食いついてたわんでくる感じは全くないです」という評価がある一方1、海外のレビュアーからは「ターン導入が容易で、スキーの中央部分がしっかりとしたサポートを提供する」という評価も見られます3。
Blister Reviewによれば、「スキーの先端と肩部分は後半部分よりも明らかに柔らかく、これによりオンピステでは曲げてカービングに入るのにあまり労力が必要としません」とされています3。ただし、氷のような条件では「Volkl Mantra 102やRossignol Sender 106 Tiほど信頼性はない」と指摘されています3。
不整地や荒れた雪面での性能
RANGER 102の真の強みは、多様な雪質に対応できる汎用性の高さです。特に「荒れた雪面、雨クラスト、砕けるクラスト、風で削られたチョップなど最も過酷な条件」でも、前に出ていれば操作しやすく、良いサスペンションと低いスイングウェイトで扱いづらさを感じさせないと評価されています3。
SkiTalkのレビューでは「アルタ/スノーバードで1週間、シーズン後半の嵐の中、唯一のスキーとして持って行き、新雪でのパフォーマンスを気に入った。硬いパックや春のスラッシュへの移行も完璧だった」と高く評価されています4。
新旧モデルの比較と進化
2022-23シーズンにRANGERシリーズは全面的なモデルチェンジを行いました。新モデルは旧「Ranger 102 FR」と比較して、いくつかの重要な変更点があります。
まず、新しいRANGER 102は旧モデルよりもターン開始に必要な力が少なくなりました3。また、全体的に以前のバージョンよりも「ルーズ(緩い)」に感じるという評価があります3。一方で「以前のモデルよりも使いやすく、汎用性も高い」という声も多く4、「軽量化、耐久性の向上など、フリーライドスキーヤーが本当に求める機能をさりげなく搭載」した点が評価されています6。
旧モデル(Ranger 102 FR)は「非常に硬く」、その鋭いファクトリーチューン(工場出荷時のエッジ)により「非常に一次元的」に感じるという指摘もありました7。多くのレビュアーは、使用前にデチューン(エッジの調整)を行うことで、より汎用的で直感的な操作感を得られたと報告しています7。
国内外のユーザー評価
海外ユーザーの声
海外のユーザーからは非常に高い評価が多く寄せられています。Curatedのレビューでは「”One Ski Quiver for the Rockies”(ロッキー山脈での1台持ちスキー)のカテゴリーでは、トップ5に入る」と評価され、「カービングするのに十分なメタルと、新雪の日を本当に楽しむのに十分なポップと遊び心を持っている」と称賛されています8。
SkiTalkのレビュアーは「様々な場所に持っていき、良いことしか言うことがない」と述べ、「このRangerはまだ攻撃的になれる、筋肉を使うことを恐れないで」と評価しています4。また、「チップチャター(先端の振動)はあるが、パフォーマンスに影響はない」とも記しています4。
Evoのレビューでは「The Fischer Ranger 102 is a flat-out thrill to ride around the resort. It is an ideal daily driver for those inclined towards soft snow.(リゾート周辺を滑るのは純粋に刺激的。ソフトスノーを好むスキーヤーにとって理想的なデイリードライバー)」と評価されています5。
日本のユーザー評価
日本のレビューでは、特に整地バーンでのグリップ力に関する懸念が見られます。「あんまりグリップしませんね…」「ガッツリカービングの板ではないです」という評価がある一方1、「サイドカーブなりに滑っていけば、かなり縦に落ちていく感じだけど、エッジに乗って滑っていけなくはない」という点も指摘されています1。
適合するスキーヤー像
RANGER 102は、以下のようなスキーヤーに最適とされています:
「パウダーはもちろん、サイドカントリーやオンピステでも、これ1台で自由に楽しむ事が出来る」スキーを求めるスキーヤー2。特に「precise/playful spectrum(精密/遊び心のスペクトラム)では、遊び心に傾いているが、高速カービングも処理できるもの」を求めるスキーヤーにとって理想的なモデルです8。
また、「98〜104mmのウエスト幅は、一桁の積雪でも十分に浮き、新しいターン開始を遅くすることはない」という特性から8、パウダー志向ながらも様々な雪質に対応できるオールラウンドなスキーを求めるスキーヤーに適しているでしょう。
結論
FISCHER RANGER 102は、パウダーからオンピステまで幅広い用途に対応するオールマウンテン・フリーライドスキーとして、2022-23シーズンのモデルチェンジ以降、さらに使いやすく汎用性の高いモデルへと進化しました。特に海外のユーザーからは「高い操作性と安定性の両立」「様々な場所での優れた性能」が高く評価されています。
整地バーンでのグリップ力には一部懸念の声もありますが、サイドカーブに沿って滑ることで十分に対応可能であり、その本来の目的であるパウダーやバックカントリーでの性能は非常に高く評価されています。「一台持ち」を考えるスキーヤーや、パウダー志向ながらも様々な雪質に対応できるバランスの取れたスキーを求めるスキーヤーにとって、RANGER 102は有力な選択肢となるでしょう。
追記
結局RANGER102のほうを買って、レビュー記事を書いたよ。
https://optix.main.jp/winter/backcountry-gea/fischer-ranger-102-review/
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