›October 04, 2011
スノームービーの動画編集クオリティを上げよう・その6くらい(構成を考えよう)
さて構成といってもさいしょからストーリーを入れた映像は難しいですのでシンプルに行きましょう。まずは最小の構成、オープニング+本編+エンディング。
当たり前のようですが、オープニングとエンディングをきちんと入れるだけで映像の質は格段に上がります。
何故でしょうか?以前POSTでも触れた通り、映像は違和感をなくすことが重要です。その意味では(良い意味で)自然に始まり、自然に終わることが必要なのです。いきなりはじまって、いきなり終わるとどうも違和感が残りますし、見終わったあとスッキリしません(笑)もちろん、意図的にそういう終わり方をさせる場合もありますが。
(1)オープニング
タイトルを見せて、これからこういう映像が始まりますよとお知らせして本編につなぎます。本編に入るための助走区間でもありますので、あまり急がず、見てる人に心の準備をさせます。
スノームービーでも、滑走シーンではなくて、風景やモノのクローズアップカットだったり、ちょっとした日常の意味深なカットだったり、そんなシーンが続いたりしますよね。
音楽的にも、1つの曲を通すのであれば、その曲のオープニング部分を当てるとか、または明確に曲を分けてしまうなどするとよりはっきり意識付けできるかと思います。
長さは、全体の尺に合わせて相対的に考えましょう。1分の映像に30秒のオープニングをいれてもバランスがおかしいですので(笑)
一番短い場合で5秒くらいでしょうか(この場合はタイトルを見せるだけですね)
しかしせっかくですのでタイトルだけよりも、ちょっと凝った作りにしたいと思うのが心情。じゃあどういう風に組み立てましょうか?
もちろん構成を考えてから撮影するのが一番いいのですが、プロとして作るわけじゃないので、そんなことはやってられないですよね(笑)、今あるカットの中からうまい編集を作りたいものです。
じゃあどうやってカットを選んで組み立てるか。
簡単な方法として、まず、「始まりを感じる」をテーマに、カットを選んでみてください。
例えば、スキー場に向かうクルマの車内の映像、フロントガラスから見える風景、雪山を登っていくカット、朝日がのぼる映像、クルマが駐車場に到着するカット、クルマから用具を出すカット、夜から朝へ、スキー場の看板、試運転するリフト、挨拶する係員、駐車場に積もる雪、今日滑るであろうコースマップ、または地形図、ワックスを塗るカット、ザックにモノを詰めるカット、スキーにビンディングを装着するカット(笑)などなど、なんでもいいです。はじまりを感じさせるカットを選んで、自然につながるようにつないで行きます。それだけでちょっとしたオープニングになるはずです。
え?ちょうどいいカットがない? そんなひとは常日頃から適当なカットをなんでも撮っておくようにしましょう。捨てカットもいつか使える日が来ますw
(2)エンディング
これも音楽の力を使うと非常に効果的です。
音楽がエンディングに近くなったところで映像的にも終わりにまとめていきます。
例えば今シーズンの私の2011 poder ski movieでは最後に、滑り終わって平らな道を帰っていくシーンを入れています。こういう感じで終わり感を出しつつ、エンドタイトルを入れたり、黒フェードしたりしてゆっくり終わりにしていきます。
エンディングはオープニングと逆に、「終わりを感じさせるカット」を選んでみてください。オープニングと違ってあまり長々とまとめる必要は無いと思います。適度な余韻を残しつつ終わらせる感じで。
といっても、まあ難しいことは考えず、曲に合わせてタイトル(オープニング)+本編+エンディング(黒フェード)でもそれなりに映像が締まると思いますので、そんな感じで少し気にかけてやってみてください。
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›September 17, 2011
スノームービーの動画編集クオリティを上げよう(その5くらい?)
さて今度はちょっとだけ高度なことをやってみましょう。
さきほどのPOSTで違和感をなくすために自然界に近い動きやイメージを意識した編集をするというお話をしました。
今度はそれと同じようなことなのですが、現実の「カメラ」を意識した編集をしてみましょう。
・わざと手ぶれを入れる
・わざと焦点をずらして、ボケをシミュレート
・Z軸を入れて3D表現
・レンズフレアをわざわざ入れる
手ぶれも、ボケも、フレアも、実際のカメラではなるべく避けるものですが、
動画編集であえてこれをシミュレートすることで自然ぽいイメージにします。
ではそんなのを盛り込んだサンプル動画を作ってみました。
解説してみます。
1.まずはこんな写真を用意します。ちなみにこの写真は母校の大学校舎。
2.手前の手と写真だけ切り抜いて今回見せる写真に差し替えます。
3.さきほどの写真を背面にし、Z軸上で手と持っている写真のレイヤーを手前に配置します。これで擬似的な3D表現ができました。
実際の撮影では避けることをあえて加味することで擬似的にそれっぽくなるのが面白いですよね。それではまた!(続きは未定w)
スノームービーの動画編集クオリティを上げよう(その4くらい?)
とりあえず気ままに更新します。
過去の内容は振り返りませんので何回やったかはだいたいです。
タイトルも毎回変わるようです(笑)
さて、動画のクオリティはちょっとしたところでずいぶん変わります。
そのひとつを取り上げます。
例えば文字や写真を横にアニメーションさせるとします。
そんときにただ移動点をうつだけだと、
こんな感じ。
これをちょっと設定変えるだけで、
とスムーズな動きになったでしょ?
やってるのは、
・始まりと終わりの動きをスムーズに
・モーションブラー
これだけです。
自然界では、モノの動きには慣性の法則がありますので、ピタっとは止まらないものです。
また早い動きも、はっきりとは見えずにボケて見えるものです。
自然界になじみのない動きやイメージは違和感を持つ元です。
動画のクオリティを上げるために重要なことのひとつは、違和感を感じる元を徹底的に排除すること。
さて動きをスムーズにするには、
このようにIN点OUT点の動きをベジェ曲線で編集できるものがいいです。
それなりの動画編集ソフトならたいていついているかと。
FLASHなんかにもありますよね。(イーズイン、イーズアウトなど)
非常に簡単な割に効果が高いですのでぜひやってみてください。
›June 20, 2011
動画編集・素人っぽさから脱却するためのポイント基本編
動画編集で素人っぽさをなくすにはどんなことに気をつけたらいいでしょうか。
基本編として簡単にまとめてみました。
1.文字の色をたくさん使わない
文字の色、フチの色、ついついいろんな色を使いたくなりますが、我慢してください(笑)その色が全体のトーンにあっているか気をつけて、もし分からなければ無難に白文字、黒文字を中心に構成するのがよいかもしれません。
フチもあまり太いとやぼったくなります。
かっこいいイメージを作りたいのであれば、ぼかしたフチをうまく使うほうがよいです。
2.いろいろなフォントを使いすぎてませんか?
フォントも気をつけましょう。たくさんフォントを使いすぎると統一感がなくなります。2種類程度にとどめておくのが無難です。それとかっこいいイメージを作りたいのであればそれにあったフォントを選びましょう。
3.トランジション効果の乱用は避けましょう
トランジション、ワイプ効果など、編集ソフトにはいろいろ入っていますが、はっきりいってほとんど使いません(笑)基本はカット、ディゾルブなどを中心に。ワイプ効果の乱用は安っぽいイメージになります。使いたいときは一度問いてみてください。「その効果は本当に入れる必要がありますか?」
意味のないトランジション効果の乱用は映像の質を下げます。
4.文字等のモーション効果の乱用は避けましょう
編集ソフトなどには、プリセットで簡単に文字の動きが付けられるものも多いです。ただし、これも乱用は厳禁。意味のない動きは編集の質を落とすだけです。意味のある動き。動きに必然性を作ってあげることが重要です。例えばこの動画。
文字の動きは画面全体の動きに合わせて連動しています。つまり動く必然性があります。
なるべく画面全体の中で、その動きの意味を作ってあげると映像の質が上がるはずです
5.音楽のテンポにタイミングを合わせる
これは分かりやすいので実践している人も多いのでは。意外と面倒なんですが、ここをしっかり作るとクオリティが上がります。6.編集は「捨てること」
動画編集はカットを「捨てること」もったいないと思っても必要ないカットはばっさりと捨ててください。といっても、苦労して撮ったカットやがんばって加工したカットはなかなか捨てるのがつらいんですよねぇ^^; でもいらいないカットがだらだら続くと見てるほうはつらくなっちゃいますので、。まとめ
全体的に必要なのは、全てにおいて「必然性」を持たせることだと思います。その文字の動きは必然性があるのか、そのトランジション効果は必然性があるのか…。必然性を満たした動画は、見ている人にとって自然に受け入れられる動画、見ていて心地よい動画となります。もちろん、あえて要所要所でその必然性をうらぎることも、印象を強めるためには必要ですが、それは基本が出来てからのお話です。ぜひ自然な編集を心がけて、クオリティアップを!
›May 30, 2011
映像編集の基礎知識(2) 場面転換
場面つなぎ。
場面つなぎの手法を紹介してみたいと思います。
まあ細かい説明は読み飛ばして紹介している動画を見るだけでも面白いかと(笑)
代表的なつなぎ方は以下の5つ。
1.カット
一番基本となるつなぎかた。場面と場面をそのままつなぎます。
2.ディゾルブ
Aの素材からBの素材をクロスフェードさせてつなぎます。カットでつなぐと少し違和感が残るつなぎもディゾルブを使えば強引につなげてしまうことができるという効果もあり(笑)、使いすぎ注意w
また、カットでは伝わりにくい時間的な経過を伝えることができます。
例えば昼の場面から夜の場面へカットでつなぐと時間の経過は伝わりにくいですが、ゆっくりディゾルブでつなぐと時間の経過を意識させることができます。
3.フォーカスイン・フォーカスアウト
フォーカスが合っていないぼけた状態からだんだんとフォーカスが合っていく、またはその逆。シーンの最初や最後などに使われたり、意識の喪失を示すPOVショット(Point of View Shot 主観ショット)に使われたりする。意識を失う人のPOVショットとして、だんだんとフォーカスがぼけていく、みたいな。
4.ワイプ
円、四角、水平、垂直などいろいろな形で場面を変える。動画編集ソフトだとこのワイプってものがたくさん種類ありますが、正直使いどころが難しい。無理して使うと安っぽい映像になること間違い無し。使い方注意のつなぎかたです。あんまり使わないほうがいいかな。
5.黒フェード・ホワイトフェード
黒フェードは、他のつなぎ方と違って、各エピソードを明確に分割する効果があります。白フェードは、黒フェードより使いどころが難しいし多用はできないですが、たとえば強烈な明るい光から白にフェードさせてつないだりと、必然性がある場合にはうまくはまるつなぎ方です。
・黒フェード=どんなときでも使えるが、シーンをぶった切る効果あり。
・白フェード=必然性がある場合にうまくつかうと効果あり。
応用的なつなぎ方としては以下
1.マッチカット
カットの類似性(方向、速度、形状)を利用してスムーズにつなげる。
マッチカットといえば、巨匠ミシェル・ゴンドリー。
だいぶ今となっては懐かしい映像ですが、当時かなり感銘を受けたので。
2.モンタージュ
カットのつなぎかたによって意味を持たせる手法。
戦艦ポチョムキンのオデッサの階段が有名。
戦艦ポチョムキン、全編見てますが、個人的にはそんなに感銘は受けませんでしたが。。
なお、ブライアン・デ・パルマの「アンタッチャブル」の階段銃撃シーンは、オデッサの階段のオマージュと言われてますよね。
3.シャッター効果(アクションワイプ)
カメラを横切るモノを効果にして場面をつなぐ。例えば、人が壁の奥へ通り過ぎて行く瞬間に壁が大写しになり、そのあと別の場所につないで今度は別の場所の壁から人が出てくる・・など。(分かりづらいか^^;)
前回のオープニング動画では、人がカメラの前に大きくかぶった瞬間にカットを切り替えてます。
4.アクションつなぎ
こないだ紹介した通り、あるアクション(動き)を通してカットをつなげる手法。
5.スイッシュパン
左右にカメラをすばやく振ったときのブレを利用して(数フレーム)カットを切り替える。
6.空抜け
文字通り空を映してから場面切り替え。
最後にいろいろな手法を組みあわせて場面転換を意識させずにワンショットで撮ったかのようにしてみせている映像をどうぞ。↓
›May 22, 2011
スノームービーの編集レベルをちょっと上げるための基礎知識(1)
これでも映像関係に10年ちょっとたずさわってますので、少しお役に立てればということで映像編集についてまとめてみたいと思います。
映像編集は、直感を大切にする技術ですが、理論的に裏づけられたものでもあります。そのあたりのセオリーやその理由を中心に説明します。
1.ショットサイズ(フレーミング)の違いとその意味
ざっくりこんな種類(1)超ロングショット(ELS)
編集では「引けば客観、寄れば主観」と言われます。従って遠景では状況説明に適している、寄りのサイズは注目させる、感情表現させるなどに適しています。
また一般的に引きでは、映像尺は長めになるのに対して、寄りでは短めになります。それは、寄りは引きに比べて見せたいところがはっきりしているため短い時間で内容を理解することができるからです。
寄り(アップ) 主観。感情。意味。尺短め。
↑
↓
引き(ロング) 客観。状況。尺長め。
もちろん一般的にという意味であり、あえて違う使い方をすることも。
2.類似したサイズはつながないという原則
同じようなカット・サイズをつなぐと、インタビュー映像の編集のようにカットの切り替わりになり違和感が出てしまいます。スノームービーの滑走シーンは、Long〜Fullのサイズが多いですが、同じようなイメージにならないように編集していきます。
とはいえあえて類似したサイズをつないで違和感を作る編集もあります。最近ではドラマ「BOSS」でそのような編集が多用されていますね。
3.ショットの組み合わせで意味を作る
以前作った「一眼レフ動画でパウダースキー」の動画のオープニングを例に。(1)フォーカスアウトから
(2)フォーカスイン 「八海山」スキー場。導入画面。状況説明として。
(7)これからロープウエイに乗ることをイメージさせ、本編へ・・。
こんな感じで、状況説明のオープニングを経て、本編へつないでます。
本編は結局あまり素材がなくて微妙な映像になりましたが(笑)
4.ちょっとした工夫 「アクションつなぎ」
別ポジのショットをアクションでつなぐことによってスムーズにつながります。例えば引きで2人がもみ合うシーンを見せておいて、パンチを繰り出すその瞬間にアップに切り替え、パンチが当たるシーンにつなぐ、など。
アクションつなぎのセオリーとしては7:3の割合でつなぎます。
先行ショットが7、後行ショットが3です。
たとえばスキーシーンでやってみるとこんな感じですかね、スキーNOW的な(笑)
続きはまた。